最近草むしりの楽しさに目覚め、通りすがりの知らないお宅の雑草にも反応するCREERですこんにちは。
そんな私が今回は玉台と矢坊主を使って作るピアスをご紹介させて頂こうと思います。製作に入る前に先ずは道具について簡単に説明しますね。
玉台と矢坊主って何?
画像左の窪みが沢山付いた四角いのが「玉台(たまだい)」、右の鉄のこけしみたいなのが「矢坊主(やぼうず)」といいます。
玉台には色々なサイズの半円形の窪みが付いています。その窪みに成形したい地金を入れ、そこに矢坊主を木槌で打ち付けてカーブを付けます。この道具を使うと作品の幅がグッと広がるので、是非、今これを読んでいるそこのあなたに持って頂きたい。
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購入後、使用前に先ず玉台の窪みと矢坊主の頭にサンドペーパーをかけて滑らかにします。ピカピカになるまで磨いて下さいね。窪みの縁にもサンドペーパーをかけて角を取っておきましょう。
その後のメンテナンスとしては玉台が錆びやすいので(お前の錆びてるじゃん、という声が聞こえる)使用後は水気をしっかり取って、ミシン油を塗っておくといいかと思います。因みに私は両方ちゃんとしているのに、何故か持っている道具の中で玉台だけ錆びます。誰か理由を教えて。
地金を円形に切る
では早速作っていきましょう。
こちら「ケガキ」と言います。こちらを使って地金に下書きをしますよ。
コンパスになっている部分で円を描きます。当て方が優しすぎると滑ってずれてしまうので、中心がぶれない様に、上から地金にしっかり押し付けることを意識しましょう。強過ぎると中心に深い傷が入り、デザインによってはそれが目立ってしまうので、その辺の力の入れ具合はご自分で調整しつつ丁度良い加減を探して下さい。
真鍮板の上にケガキをあて、糸ノコで切り出す円のガイド線をけがきます。円の大きさの出し方は、作りたい球の半径×3.14。今回は14mmの水晶を使用、半分までは覆いたくないので直径20mmの円を切ります。
こんな感じに。下の円がちょっと二重になっている所には気が付かない振りをして下さい。
糸ノコで切ります。糸ノコの使い方についてはこちらを参考になさってみて下さいね。
玉台と矢坊主を使って成形する
先程切ったこちらにバーナーを当ててなまします。
なましとは地金を高温にして柔らかくする作業。この工程で地金を柔らかくしないと成形出来ませんので、絶対必要な工程です。
真鍮は真っ赤になるまで火を入れて下さいね。うっかりすると溶かしてしまうので、その辺も練習で見極められる様になりましょう。画像よりもうほんの気持〜ち赤くなった位が丁度良いかな?と思います。
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水に浸けて冷やしたら、最初は大きい窪みに入れて打ちます。※矢坊主は木槌で打ちます。
先ずはこれくらいの緩いカーブから始めましょう。
段々小さい窪みに変えて深いカーブにしていきます。大体4〜5段階位に分けて径を小さくしていって下さい。いきなり小さい窪みに入れて打つのは厳禁です。地金が割れてしまったり、訳の分からない歪み方をしたりします。
(※穴の径を変える毎にマメになまして下さい。なまさず地金が硬くなった状態で無理に叩くと、これまた地金にヒビが入ったり割れたりします。)
叩いているうちに地金が伸びるので、当初予定したサイズより若干大きくなります。あとからヤスリで調整しましょう。
矢坊主の打ち方(私の場合)
一番最初に型を付ける時は、玉台の窪みに入れ、一度中心を矢坊主で打って少し凹みを付けた後、外側から中心に向かって打っていくと形をつけやすいかと思います(人によっては内から外の方がやりやすいかもしれません)。ガタつきが出ない様、打つ位置を少しずつ変えながら満遍なく叩いていきましょう。
一度型をつけたら次からは下の図の様に矢坊主をぐるぐる回しながら、これまた満遍なく叩いていきます。これを繰り返すとカーブや厚みにムラのない綺麗な球が出来ると思います。
石が隙間なくはまるか確かめます。
ぴったりですね。
二つ作ります。
金ヤスリをかけ、地金が伸びてオーバーしてしまったサイズの調整をしつつ、断面をフラットにします。
すっきりしたフォルムに仕上げたいので、水晶の輪郭からはみ出している真鍮を薄く削って目立たない様にします。
すり板の安定の良い所で回転させながら金ヤスリで削り落としていきましょう。
この様な感じに。
金ヤスリのかけ方としては、先ず縁だけぐるっと削り、角が立っている所をヤスリ過ぎない様に注意しながら落としていき、徐々に自然な丸みになる様にします。ヤスリながら時々中断して形を確認しながらやっていくと失敗が少ないかと思います。
キノコ型。
ピアスポストや芯を立てると磨きにくくなるので、耐水サンドペーパーも1000〜1500番位までかけて傷を取っておきます。
ピアスポストの位置に、リューターを使って穴を開けます。
石を挿す芯を用意。
ロウ付けする側にヤスリをかけてフラットにしておきます。今回使用するロウは5分ロウ。
芯を立てて
ポストもロウ付け。
酸洗いしましょう。
30分程浸けたら取り出し、リューターで磨きます。
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エボキシ系接着剤で石を固定。私が使っているのはアラルダイトスタンダードなのでこのまま硬化まで12時間待ちます。
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パール風キャッチを付けて完成です!
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玉台と矢坊主で作った球を合わせてロウ付けすると、下の様なコロンとしたピアスも作れます。
CP79 [ショップページ]
玉台と矢坊主は、平らなモチーフに軽くカーブを付けるだけで表情が出たりしますので、持っておくととても便利な道具です。是非、お試し下さい。
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