まいど!五助屋レザーでございます。
えーっとね、今回も長くなりそうな予感。これが書き始めた時の感想ね。いやーめんどいのに手をつけちゃったなーって思ってますが、何回かに分けて書いていくので、興味がある方は見てちょーだい。
さて、その長くなりそうというのは馬蹄型コインケースです。
誰が言い始めたか分かりませんが、これが作れて革職人として一人前であるなんて聞きます。キットなどで作るだけなら誰でも出来るんでありますが、革の特性とか厚みのコントロール、立体の形状を考えて型紙に落とすとか、正確に型紙を作っても正確、垂直な裁断が出来なくては、ちゃんとした、空気がシューッと隙間から出てくるような感じは出ません。
んで、もう随分経つかな?さらっと工程を解説した本が以前に1冊出ただけで、本やWebには、情報が無いので自分で考え失敗し改良しまた失敗し改良しと繰り返してコツを掴み技術を上げて完成させるものであると思うのです。最近はチョイチョイ有るらしいですが初めから最後までトータルでってのは無いようです。でも詳しく書いちゃうと、せっかく数少ないこういうアイテム、作る側の工夫の楽しみを奪っちゃう事になる気がして、いままで書いてこなかったのですが、編集長のロミ子さんのいうとおり、作り手に興味を持ってやってもらうほうが大事で、情報を公開しないと、ただでさえ職人人口が減っている今、職人も趣味でやる人もドンドン減っちゃうよね。そんなわけで僕の技術を公開します。
僕が書いた所で他にもやり方は有るだろうし、見た人も改良されて行くと思うのです。作り方や考え方は、こうして書けるけれど実際には教室なりで目の前で見たりしなければ伝わらない事も有るだろうし、なにより典型的な言葉がたらねぇよ!っと言われる僕の書くことなので(頑張って足りなくないように書くつもり・・・)PDFで型紙をダウンロード出来る様にじゃなく己の力で型紙を起して作ってみるお手伝いが出来たらなぁなどと思っております。
ちょいちょい僕のこだわっているポイントを入れますよっ!
馬蹄型コインケースの型紙作成
さ、何はともあれ、ココからです。下の写真のパーツだけ。ま、引き手や裏貼りは写ってませんが。
たったコレだけのパーツである。何が難しいのかこれだと分からないかな?左からメインになるアウター内マチ、外マチ 内胴の前後といったところか。
四角でも三角でも出来るのですが、タイトルの通り、馬蹄型でやろうじゃないの。とコンパスで丸を描く。
そこから好きな角度で直線で絞る。んで折り返し部分を離して反対側は外マチ厚みの分半径を小さく円を描き、先に書いた角度で絞ると同じように描くのだが同じくその外マチと同じ分の厚みを引いた幅で絞る。
ややこしいな。。。。どう説明したら簡単かな?
先に厚みを決めてしまうほうが良いか。作りたい大きさの円を描き馬蹄の形を描くそれと対になる方は外マチの分小さく作る。
写真だと半径30ミリの円で円の中心から40ミリのところに引いた直線と外周からそれぞれ5ミリ引いたラインに線を引く反対側は、外マチが2ミリ厚であれば半径28ミリの円からそれぞれ5ミリとなる。
ま、上の写真のまんまなんだが、コレで分かるだろうか?
後述するが、この何気なく折り返し部分を離してってのが曲者で何度も作り直すことになったりする所で、そこをどうクリアするかも先に進んだら書くつもり。
それぞれのパーツの名前と位置は、
これで分かりやすいかな?
んでは、いきまっせ。
右から二番目のパーツは外マチで半分に折り返して接着し組み立てる。一番右は内マチで厚みを持たせる為に革を張り合わせて組み立てる
メインパーツにラインが描いてあるのは外周は縫い代であり直線は分かりやすくするために描いた。
コレはまた後ほど説明で使う。
内側の胴になる部分の内側のパーツを長くして折り返すベロのようになってるのを良く見るね。僕はココにお札を刺して折り返して入れたりするのでベロ無しが好み。薄物のポケットね。車のスペアキーとか入ってると便利だな~ってサイズ。
んでコレ。
ほんの少しココを絞るのだよ。直線部分のみで円は同じまま。上に乗ったパーツが小さいのがわかるかな?ちょっと見えにくいと思うんだけれど・・・。
アウターに乗せたらちょっと両端が小さいでしょ。ここがぴったりすぎならまだいいけれどわずかでも大きかったりすると・・・
ココがだらしなく開いちゃったりするんだよね。んで上記のように少し内胴が小さいと引き手が無くともココを両側から押すと開いたりするので意識的に小さく作っている。
なので、実際にはこの立ち上がり部分少し斜めになっている
ここのとがった部分は、あえて尖っているのだ。尖った状態で縫い上げてたら当然その形の通りアウターは山型になるがその山を・・・
平らにすることにより・・・
少し外マチが内側に倒れるのは、分かるかな?長い辺と短い辺が有る短冊を同じ長さにしようとすると、曲がっている方に倒れるでしょ?
同じ理由で内マチ&内胴も同じ方向に少し倒れるように作ることでm引っかかって閉じて開かないとなるわけだ。んでもそれは、わずかな物なので革は伸びるという性質がある。
組み立て時じゃないと説明しきれない色々も有るので、実際に組み立てながらここらは、やってみようかね。
内マチと内胴を乗せた図である。
内マチの幅と内胴の厚みがココの離した所。折り返し部分だ。簡単そうだが、この厚紙でカクッと90度に折り曲げるのと革が折曲がるのは訳が違う。革はもっと厚みが有る。カクッと直角には曲がらないので一概に何ミリ離したらいいの?ってのは革の張りや厚みとかいろんな要素が絡んでくるのだよ。
作ってみたけどアレ?っとなって型紙を修正してもう一度作って、また違う修正箇所が出てと繰り返す。そうすることで自然にいろんな要素のスキルが身に付くのだが、大変なんだけど、考えて考えて計算して何回も型紙作ってバシッと決まると快感だったりもするんだ。
とりあえず、革を抜いて正確に均等に厚みを調節したいので、巻き癖を取るため水分を入れて寝かせて味取りします。
さ、ここまでは基本的な考え方。組み立てながら説明して行くので、繰り返して読んでもらえると、さらによく分かるのではないかと思う。全部読み終わったら、型紙引けるようになれるように書くつもり。
こう見るとどこの高さがココとココを足した数字とか見えてくる?
ジャラっとでていい感じ。
フタを閉めて振るとコロコロコロっとダイスを振っている時のあんな音がするのだよ。
作りたくなった?
今回はここまで。次回をお楽しみに!
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