革のトートバックを縫わないで作ったらどうなるかなー?
っというなんだかよく分からない事に挑戦してみた皮革工房凜(かわこうぼうりん)さんの挑戦の記録的なアレです。
縫わないと簡単なんじゃね?っという怠慢な思考から発足したプロジェクト(←そこまでのアレでもないがw)なのですが、結果から言います。
・・・
結果:逆に大変だったwww。
ま、簡単なトートバックの作り方はお分かり頂けると思いますので、
型紙をアレンジしていろいろなハンドバックを作る時の参考にはなるかと存じます(笑)。
皆様はこちらの記事を参考に、素直に針と糸で縫ったらいいんじゃないかな?と思いますので、拝啓、そんな感じで宜しくでございます。かしこ
じゃあ、さっそく参りましょう。
型紙の作り方
型紙を制作するソフトなどを持っておりませんので、縮尺が少々怪しいのですが、プリントアウトして使いたい人は使えますよ~
ま、そんな大きな紙が出力できるプリンターがあればですが・・・。
っというわけで、私は工作用紙↓で型紙を作りました。端の方はメモリを無視して、工作用紙をマックスに使用したら取れる大きさのバックです。
裁断
革の銀面(表面)に型紙を置いて、目打ちなどでけがいて(キズをつけるようにして)型を取ります。
カシメを取り付ける位置なども、(本体の制作を進めて)立体的になってからでは正確な位置(左右対称)に印をつけるのが難しくなりますので、最初に印をつけるといいですよ~♪
‘
荒裁ち(大まかにカット)します。
‘
トコ処理
CMCという処理剤の溶液を使って裏面の毛羽裁ちを抑える処理をします。
ガラス板を使って圧をかけるイメージで磨きます。
ちなみに、この作業はパーツの形にカットしてからでもいいのですが、カットする前の方が表面(銀面)に液がつく心配がないのでおススメです。
余分な部分をカットします。
‘
カットが出来たら、型紙の大きさと一致しているか確認をしましょう!
‘
飾り縫いをする
縫わないで作る!っと豪語しておいてなんですが、ステッチがあった方がかわいいので、飾りステッチをいれますよw
今回はこの幅で穴あけをしてから(縁を曲げながら)縫いましたが、各自ご自由にごうぞ!
曲げてから菱目打ちで穴をあけてもいいですよ~。
※穴あけをしてから縁を曲げる場合は、縫い穴どうしがキチンとが重なるようにご注意くださいませ。
チクチク
‘
飾り縫い完了
‘
裏側
‘
縫い方はこちらをご参照ください↓
穴あけ
次に、穴という穴を一気にあけていきましょう!
楕円抜きとハトメ抜きを使いましたが、楕円抜きをお持ちでない場合はハトメ抜きと革包丁を組み合わせて使用することで楕円の穴をあける事が出来ます。
持ち手の準備と取付け方法
今回は幅1.5㎝の革テープという物を利用しました。
端を半月抜きで処理するときれいな仕上がりになります。
次に、型紙を参照して、取付け用の穴をハトメ抜きであけます。
穴あけが済んだら、革テープを楕円抜きであけた穴に通します。
ハトメの穴どうしを重ねてカシメを入れます。
その後、打ち台を敷いてから打ち棒とハンマーで叩いて固定していくのですが、
大きな物を制作する際は、打ち台がきちんと真下にあるか念入りに確認をしましょう。
‘
ハンマーで叩いて取り付けます。
反対側も同じように取り付けます。
持ち手の取り付けが完了したところです。
‘
底鋲の付け方
底鋲とはカバンの底についている金具↓です。
カバンの底をキズから守ってくれます。
‘
表面から底鋲を入れます。
‘
裏側から被せ金具を取り付けます。
‘
ここでちょっとワンポイント!
革の厚さによっては底鋲のアシの部分が長すぎる場合↑があります。
そのまま打っても大丈夫な場合もあるのですが、斜めになってしまってうまく取り付けられない場合もあるので、
念のために、革でワッシャーのようなものを作って厚さを調整します。
1枚挟みました↓
‘
いよいよ底鋲の取り付け方法ですが、
「ゴム板などの上に置いて、裏面からハンマーで叩く!」だけです。
カシメなどと違って、底鋲の中にはプラスティックなどが詰まっているので、頭が潰れてしまう事はありません。
どうしても頭が潰れてしまう場合は、(そもそも潰れるモノは底鋲としてあまり良くない気もしますが…)
ゴム板などを彫刻刀で底鋲の形に彫るといいらしいですよ(やった事はありませんが)。
そして、間違ってもカシメやホック用の打ち台の上ではやってはいけません!キズがついてしまう恐れがあります。
取付けがうまくいけばこのように↓なります。
表側
‘
本体の制作に入るまでが長いですが、
これでやっと下準備が完了です!
‘
トートバック本体の作り方
それでは、いよいよ本体の制作に入ります。
完成イメージが浮かばない方はこちらをご覧くださいませ。
同じカラーの部分が合わさります。
そして☆マークの部分は3枚の革が重なります。
このように穴をあけていきます。
1㎝間隔で穴をあけました。
(もう少し広くても大丈夫そうでした。が、広すぎると隙間から物が落ちたりするかもしれないので、広すぎはNG!)
穴あけは、縫うときもそうなのですが、革同士が合体する部分にキチンと穴が来るようにあけなくてはいけません。
なお、貼り合せて(圧着して)からの穴あけでも大丈夫です。
やりやすい方法で行いましょう!
(貼り合せてからの穴あけは立体的になって意外と難しいので、私はコッチ派です。)
穴あけが済んだら、対応する穴をセットにしてカシメで留めていきます。
矢印↑の穴同士がセットになりますよ~。
カシメ打ちを失敗してしまったら
右のようにカシメが斜めになってしまったら失敗です。
失敗したら喰い切りという道具などを使って取り外します。
ペンチやニッパーでは難しいですが、喰い切りがあればとても簡単に外せます!
一家に一台!ぜひお試しアレ!
カシメが斜めになってしまって、どうしてもうまくつかない時は…
カシメがうまくつかない原因は、
1.打ち棒が斜めになっている(→垂直になるように持ちましょう)
2.カシメの金具と打ち棒のサイズがあっていない(→サイズが合った物を使え)
3.打ち台が良くない(カシメやホックの頭がボコッとなる時は打ち台が合っていない可能性が!)
4.革の厚さが合っていない(薄すぎor厚すぎ)
などが考えられます!
2の金具と打ち棒のサイズが合っていないっというのは、玄人さんからしたらイヤイヤ…分かるでしょ?っという感じなのでしょうが、
ネットであたかも「セット販売!」みたいにして売ってある物でサイズが合っていないという、うちの生徒さんが多数いらっしゃいます!(ちなみに、カシメではなくホックの方でしたが…)意外と多いトラブルだと思います。
3の打ち台に関しては、オールマイティープレート的なモノは私には合っていませんでした。
シンプルな打ち台に変えてからは失敗知らずです!
4の革の厚さが合っていない(革が薄い)場合は底鋲の取り付けで前述しましたが、
革のワッシャー↓を挟むといいですよ♪
大きい径のハトメ抜きと小さい径のハトメ抜きを使用して作ります。
革の厚さが厚すぎて合っていない場合は、革を漉く(薄くする)か、アシが長いカシメに変更しましょう。
えーーーっと。
かなり脱線しましたが、本体を組み立てますよ~
マチの部分↑
マチの部分にカシメをつけ終わったら、一旦打ち棒で叩いてしっかり留めましょう。
立体的になると作業がやりづらくなるよー。ご注意を。
最大の難関!
革が3枚合わさる部分↓
革をつまんでカシメをつけましょう。
(先に穴をあけている場合は穴にカシメを通すだけなので、そんなに難しくもないですよ~)
このように↓革を折りながらカシメを取り付けます。
‘
仕上げに(先ほど打っていない)すべてのカシメを打ち棒で叩いていきましょう!
バックの入り口の部分はずれないようにご慎重に~
ホイ!完成~!
・・・じゃなくて、
ここからぐるん!と内側と外側をくるりんぱっとします。
‘
はーい!やっと完成!!
‘
長財布が横で入るくらいのサイズ感になりますよ~。
こちらからご購入も可能です。
いかがでしたでしょうか?
革のトートバックぜひ作ってみてくださいね~
りんがお届けいたしました♪
皮革工房 凜(かわこうぼうりん)
ショップ:https://koubourin.thebase.in/
ブログ:http://ameblo.jp/koubou-rin/
最新記事 by りん (全て見る)
- スリットタイプのカード入れをつくる方法 - 2017年6月21日
- 縫わないで作る!革のポーチ - 2017年5月20日
- 縫わないで作る!革のトートバック - 2017年4月1日