コイン枠や石枠とは?
コイン枠とは名前の通りにコインをペンダント等にする際の枠となり、留めるものがコインでなくても石を留める事もできちゃうので、コイン枠タイプの枠って考えてもらうといいんじゃないかな。
広義では以前に紹介した覆輪のバリエーションのひとつでコインや石を留める方法は同じです。
通常、覆輪を製作する場合にはロウ付け箇所(ロウ目)が底面になるようにする事で作業の痕跡がなるべく見えない場所にくるようにしますが、コイン枠のようなロウ付け箇所が少なく、比較的に大きなサイズの枠を製作する場合にはロウ付けの痕跡が分かり難い事からロウ付け箇所が側面になるので比較的に簡単な枠の作り方になるんじゃないかな。
ちなみにペンダント等にする場合の丸環やバチカンは枠のロウ目にロウ付けするのがポイントなんだよ。
コイン枠や石枠を作ってみよう
まずは基本的な材料となる板状の地金と角線状の地金を用意しちゃいましょう。
地金板の厚みは0.5mm程度のもので十分ですが、コインにしても石にしても留めたいものが余裕を持って乗せられるサイズじゃないと駄目だよ。
今回はコインではなくて大き目の糸魚川翡翠を使っていますが、コインの場合も基本的に同じ作業工程になりますよん。
ここでは角線をローラーで細くしていますが、ローラーの特性上、ローラーで引き延ばすと引き延ばした方向に長く延びていくんだよ。
例えば、金鎚とかを使ってポクポクと叩き延ばす場合は、打点を中心に四方に延びちゃうから、角度を付けて叩いたり、向きを変えて叩いたり、意識的に延ばしたい方向に延びるように叩かないといけないっす。
角線をローラー等で薄く延ばして枠の部分を作っていきますが、コインや石の底面は板材に乗る事になるので高さの調整は基本的にはしないので、あまり枠の部分に余分な高さがあると後々に切るか削るかする事になり、地金のロスだし手間が掛かってしまうよ。
コインの場合は側面と表面が直角に近いから、コインの厚みより1mm程度の高さになるような感じで大丈夫っす。
ちなみに枠の厚みは0.5mm程度もあれば十分です。
0.5mm程度の厚みですし、このタイプの枠で使う石やコインとかは比較的にサイズがあるからフリーハンドでグイ~って石やコインに巻き付けるように曲げてって形を作ります。
コインってイメージ的には丸い形をしているんだけど世界には様々なコインが合って、必ずしも丸くないんですよね・・・
丸い形だったら、コイン芯金っていう指輪用の芯金の大きいやつがあるから、それを使って最終的に真円を出してもいいっすけど、そこそこ高額な道具になるから使用頻度が少ないなら要らないっす。
ちょうどいい感じの大きさになったら、一旦、形が崩れちゃっても構わないから、ロウ付けする両端の断面がぴったり隙間なく合うようにしてロウ付けしちゃいます。
最終的にコインや石の形にするのは、ロウ付けが終わった後で問題ないんだね。
ちゅ~感じで作った枠を板材に乗っけてロウ付けしちゃうんだけど、そん時に注意するのはロウは枠の外側に置いてロウ付けする事っすね。
ちゅ~のも枠の内側にロウを置いてロウ付けしちゃったら、その部分の仕上げができないからなんだけど、ロウ材を細長くして差しロウって技術とかも有効です。
底板になる板材の厚みが1mm未満の場合、持ち上げてロウ付けすると熱で曲がっちゃうから、そこら辺りは加熱する時の注意点かもしれません。
枠を底板にロウ付けしたら枠のアウトラインに沿ってノコで切り抜いちゃいますが、どうせヤスリを当てていくのでアバウトな感じで大丈夫っす。
ここで切り落としちゃう底板は端材になっちゃう事が多いので、板材が0.5mm程度と薄いんだったらニッパーとかで適当に切っちゃっう事もできますが、あんまりギュ~ギュ~やると製作したコイン枠が曲がってしまうよ。
ロウ付けした後っていうか、地金を加熱すると特にシルバー素材の場合は、表面に酸化被膜っていう被膜ができちゃって磨いても本来の光沢感が出なくなってしまうので、それを削り落とす意味でも枠の側面をヤスリで削って形を整えます。
加熱時間が短くスムーズにロウ付けがえきると酸化被膜も気になる程ではないんだけど、酸化被膜が残ると斑になって曇った感じの部分が出て気になって仕方がなくなるので、後からヤスリ等を入れられない場合には酸化防止液とかを使うと回避できますよ。
コインとか裏面も見えるようにしたい時、石とかでも裏面に光が通るように光抜きをする場合には、この後に枠の内側をノコで切り抜いちゃって下さい。
枠のアウトラインがきちんと取れていたら、ノギス等を使って枠から1mmとか1.2mmとか任意のところにシュ~って印を付けちゃって、まずは細いドリルでノコを通す穴を開けて、そこにノコ刃を通して切り抜くんだよ。
リバーシブルとして使うかどうかは別として両面が見えるようになるっす。
逆に底板を抜かない場合って例えばブローチとかみたいに裏面に金具を付けたりする時や裏面を見せたくない時なんかです。
コインの場合も表裏で上下が反転しているタイプのものとかがあるし、石の場合だと不透明な石だったら光抜きの必要がないから地味に底板がある状態にする事も多いんだよ。
ちゅ~ような感じで、覆輪のバリエーションのひとつとなるコイン枠タイプの枠作りでした。
ち~ゆ~。
ΘεΘ
最新記事 by Ijeluna onota (全て見る)
- 彫金には欠かせないガスバーナーと酸素バーナーのセッティング - 2017年4月8日
- 自分で見付けた石コロを使ってペンダントを作ってみた - 2017年3月9日
- 鋳造:ロストワックスの仕組みとか種類とかいろいろ - 2017年3月6日