貴金属地金の買い付けや地金の再利用をしよう

r

 

シルバーやゴールドやプラチナの地金ってどこで買うの?

貴金属地金というと最近では街中で「高価買取!」とかの看板やリサイクルショップを見掛ける事が多いのですが、その逆にジュエリー等を製作したいと思った時にはどこで買ったらいいのか分からない人なんかもいると思います。

ジュエリー等に使用する地金は純金や純銀や純プラチナではなく、その多くが実用性を重視した強度となるように「SILVER 925」や「SILVER 950」、ゴールドであれば「K18」や「K10」といった品位でのカラーバリエーションとなり、プラチナであれば「Pt.900」や「Pt.950」といった品位となっています。

こうした品位の各種貴金属地金を購入するには、貴金属地金商という専門の業者さんに依頼して純金や純銀や純プラチナ、或いは希望する品位に加工した貴金属地金の状態での購入をする事ができます。

その際、例えば角線や丸線や板材といった任意の形状と寸法に加工してもらう事もできるのですが、こうした注文の殆どが受注精錬となる為、多くの場合は受注日の貴金属地金相場に合わせた重量計算に品位と形状・サイズへの加工賃が加わり、あまりにも少ない注文量では買い付けできなかったり、買い付けても加工賃が嵩む事から非常に割高な価格で買い付ける事になってしまいます。

 

貴金属地金(純金)

貴金属地金の中でも特にゴールドやプラチナは資産運用や投資目的でも扱われる為、地金相場が比較的に安いと感じた時にまとめて買い付ける事になりますが、やはり大きな金額となる事から手を出し難いというのが実情だと思います。

ちゅ~ような中で比較的に手が出し易くて入手し易い地金はシルバー素材になる訳ですが、こちらに関しては品位がスターリングシルバーと呼ばれる「SILVER 925」か「SILVER 950」が流通のメインとして決まっているので、ある程度の形状とサイズの地金が東急ハンズやインターネット等で買い付けする事ができます。

最初は、そうした手を出し易い気軽な方法で地金を買い付けるのがお薦めですが、そうした地金を使って作品を作る中で端材や失敗作が出たり、削り粉となってしまう部分もあるので、今回は地金のリサイクル方法というか、端材等を使って地金の再生をする手順を紹介しますね。

チョコ皿の作り方

 

貴金属地金のリサイクルについて

貴金属リサイクル地金

基本的に少量の地金をリサイクルする場合には、微細なヤスリやノコ刃といった鋼材やロウ付け部分なんかが混じると品位が落ちる為、端材や鋳造品の失敗作といった品位を落とさない地金を使用するのが重要というかポイントなんですね。

品位が落ちる事を性落ちと言いますが、これは作品の品質証明ができなくなる上、性落ちした地金は加工する際に何かと厄介なトラブルの原因となって最終的に粗悪品になってしまうのです・・・

 

貴金属の削り粉

その為、画像のような削り粉は専門の貴金属精錬分析業者に依頼して売却するか、別途で費用を払って希望の品位と形状の地金素材にしてもらうんですよ。
あっ、破片があるな、この破片は使えるっすね。

 

シルバーの端材を再利用してみよう

ちゅ~ような感じで、もっとも再利用が容易な地金素材であるシルバーを使ってみますよ。
シルバーの場合は、「SILVER 925」も「SILVER 950」も純銀(専門用語で「ササ」と呼びます。)と純銅の2つの金属の二元合金になる為、ゴールドのように最低でも純金(専門用語で「ヤキ」と呼びます。)と純銀と純銅の3つの金属の三元合金(ホワイトゴールド等の場合は4つ以上の金属を使う四元合金)を使う事やプラチナのように融点が高くて酸素バーナー等の設備がないと加工できない地金と違って再利用し易いんですよ。

 

空け型とチョコ皿

最初に使うのは空け型とチョコ皿となり、チョコ皿の上で端材を溶解して、その後、素早く空け型に流し込んで地金をアバウトな形状にしちゃうんです。
チョコ皿は、素焼きのチョコ皿にフラックスを塗付してバーナーで加熱して表面に焼き物の釉薬のような感じでコーティングをして使いますよ。
空け型は種類があるので好きなのでいいっす。

 

地金を溶解しよう

シルバーは融点が低いので通常のガスバーナーで加熱し続けると簡単に熔解しますよ。
この熔解作業では完全に液体化した状態で炭とか今はないんだけど昔は電池に入っていた炭素棒なんかを使って熔解した地金の表面に浮かんだ不純物を丁寧に取り除くのがポイントっす。
ちゅ~ような感じで、不純物は熔解した地金の表面に違う色味になって見えるから、それを丁寧に除去してチョコ皿を軽く揺らすように液体化した地金をクルクルと回しながら、一気に空け型に投入、流し込みます。
思い切りが良くないと一気に流れ込まずに断続的に空け型に流れ込んじゃうから、そうなっちゃうと見た目は一体となったひとつの地金に見えても実は一体化していないから、その後の工程で割れちゃたりするんですよね・・・

チョコ皿の作り方

 

地金を締めよう

熔解した地金を空け型に流し込んだ状態の地金は、密度が緩くて締まっていない状態なのでガンガンと音が出ちゃうんだけど頑張って金床やレールアンピルの上で金鎚を使って叩いて叩いて地金を締めていきます。
ある程度の形状は、この金鎚で成形しちゃうので必要に応じて焼きなまし作業をしつつ、ポクポクと叩いてポクポクと叩いて耳が何かおかしくなってきた気がするなぁ・・・ってなりますよ。
ちゅ~か、それなりの防音をしていないと迷惑な感じっす。

 

ローラーで角線にしよう

その次はローラーを使って板状とか角線とかの形状にしていくのです。
ローラーによっては丸線溝や甲丸溝なんかが刻んであるものもありますが、丸線にしたい時は角線の状態から線引き盤を使って丸線にしちゃうし、甲丸線の場合は溝台を使って甲丸にしちゃったり、この辺りは手持ちの道具を上手く使ってやらないと道具ばかり増えていっちゃうんだよ。
ローラーがない時は、この前の工程である金鎚が最終工程となり、そこで頑張って何とか希望に近い形状と大きさの地金にしていくしかないっす。

 

ローラーで成形しよう

ここからは完全に希望の形状に形成する作業でして、これは先日の「覆輪の作り方」で登場した薄くて細長い状態にしているところっすね。
地金の再利用っていうからには、その作業では切ったり削ったりみたいなロスになる事はしない方がいいじゃん?
だから、なるべく無駄の出ないようにするんですよ、エコ。

ちゅ~ような感じで、貴金属って本当に無駄の出ないように使わないとロスが大きいから、もうゴールドとかプラチナなんかだと掃除機を掛けて埃に混じった微細な粉とかまで残さずに回収しているんです。
もう大きな工場とかだったら、それだけ多くの製品を作ったり加工したりしているので、製品を水洗いしたり、手を洗ったりする時の排水システムでも微細な地金の回収ができるような仕様になっている程なんだよ。

ち~ゆ~。

ΘεΘ

チョコ皿の作り方

 

The following two tabs change content below.
Ijeluna onota
ち~ゆ~国である「Ijeluna:ΘεΘ」と「nekogurma:ΦωΦ」さんはジュエリーを製作したり宝石をコレクションしたり販売したり眺めたり何かしらしているんだよ。 http://shop-nekoguruma.com/
[ 貴金属地金の買い付けや地金の再利用をしよう ]彫金/ロストワックス, , , , , , 2017/02/10 21:56