( =゚∀゚)ノ毎度!五助屋レザー です!
前回のシリーズ キーホルダーを作ってみようはどうだったでしょうか?実際に作ってくれた方は居るかな?下記リンクに全4回に分けて書いてあります。
ざっと流して書いたのですが、一つ一つの工程を切り取って深く掘り下げたり工具を調整したり削ったり磨いたり・・・。そんな事を書くだけでも、色々と記事を書けそうな気がしております。マニアックすぎて変態と呼ばれて喜ぶ方々向けの記事は、もうちょい先にするとして、一般的(か?)と思える感じでコバ磨きを書いてみようかと思う。
だいたい、職人の数ほど種類が有ると言われる工程であるし、革の種類によっても違うし、好みもあるし革の部位によってもちがう。そもそも違うといってもそれは、その職人の好みの仕上がりと違うという事であって、まぁ難解なアレであるが、難しく考えたって始まらない。自分はこんな感じに仕上げたい!ってののお助けになれば幸いです。
師匠が居ない僕ですから、まぁ失敗も一杯したのですよ。ガタガタなのとかヨレヨレなのとか良くやらかしました。
なので、そんな事を混ぜながら書いてみようかな?
コバ磨き下地を作る
今回は、手に入りやすいトコノールという仕上げ材を使った仕上げとフノリ+蜜蝋の本磨きの二本立てです。
他にもCMCとかトコフィニッシュとか水だけで仕上げる!とか関西ではニスと言う人が多いが要するに塗るコーティング系の仕上げもある。これまた、目止めとコートとトップコートまであって色々とあります。いずれにしても、下地が命!です。下地が出来てないで一生懸命仕上げ磨きでをしても悪戯に時間が過ぎるばかりなのです(経験者w)
んでは、今回は、コレでやってみよう。
リューターにセットするヤスリね。コレ、ホームセンターとかだと粗い番手の物しか置いてないことが多いんだよね。ま、120や240番とかも使うのですが、欲を言うと400番もほしいね。
お!いいね、これ買ってみようと思ったあなた。そうそう、これね リューター、ヤスリとかそんなキーワードじゃヒットしないんだよ。探すの難儀したんだよコレ。あるのは知ってたんだが検索に掛からない。これ、なんて名前なんだよとPCの前で格闘してたのだ。
この商品名は・・・。
バンドw
バンドっていうと、ベルトや、音楽のアレだと思うじゃんねw
相手が革なので、かなり長く使えるこのバンド。数種類用意しておくと効率が良い。
コレは、240でざっと段差を取って400番でなでるだけでもすでに艶が出ているのがお分かりいただけるだろうか。ここらは、使う革の種類に大きく左右される所であるが、ある程度細かい番手で下地を作っておくとその後の作業が非常に楽になるよ。
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粗磨き
定番トコノール。チョンチョンと乗せて・・・
帆布で磨く。粗磨きなので全体的に満遍なく、それなりな感じでおっけ。どんな感じかな?とココで眺めて考えるのだ。
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もう一回下地に戻る
え?このまま磨かないの?うん、磨いても良いよ。有る程度の凸凹はウッドスリッカー等を使い平滑に均すことも出来るし。
んだから眺めて革と相談するのだ。
軽くペーパーで研いでみよう。
白い部分が削られた所で色の濃い所は、そう、凹んでいるという事だよね。こんな感じでラフな仕上げがお好みだったらコレはコレでアリだとも思う。粗磨きでちょっと表面がカチッとしたので細かい凹凸が磨きやすく研ぎだしやすくなったと言えば通じるかな?一発でいい感じに仕上がることもある。
ここで使ったのは1000番。
もう一回、帆布で磨いてもいいしスリッカーで磨いてもよし。だいぶ面が出てるでしょ。
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先ほど1000番と書いたが、もうチョイ戻って400番とかで研いだほうが良いような状態もある。革の状態を見ながらやろう。
ここらは、塗装や金属磨きをやったことがある方なら、何てこと無い常識だったりするだろうけど、そんなんやったこと無いって人も多いだろうしね。最初に書いた、ニスのような塗って仕上げるタイプの仕上げ剤などは、程度磨いてからあえて艶がなくなるように表面を傷つけるような足付けなんて事をしてからコート剤を塗ると剥がれ難いよとか、そんなんも塗装と同じだったりする。金属や石を磨くように相手は硬くて傷がと言うものでもないので細かく番手を上げていかずわりとラフな感じ。僕は、240,400,800番くらいかな?使うのは。
細かければもっといいだろうと1000,2000番も試して見たけれど、あっという間に目詰まりして意味が無かった。究極のビカビカ仕上げ~なんてやってみても面白いかもしれないけどね。
コーティング系もその膜は、基本的に曲げ伸ばしで割れたりしないようにやわらかい膜なので、あまり細かい番手のヤスリをつかっても意味が無いのだ。トップコートなどで塗ってそのまま、そっと乾燥させるのがいい仕上がりになるね。
仕上げ磨き
さて、今まで書いた工程を繰り返そう。
均して磨いて均して磨いて、満足いくまで何度も何度も繰り返す。あまり強くスリッカーなどでこすると角がつぶれて出てきてしまったりするので、好みの仕上げにするためにはこの革はスリッカーが向かないとか帆布のみでやったほうが結果がいいとか、そう言うのを判断してやってみてね。
コレは、帆布で角を押さえながら磨いている所。やればやるほど艶が出るのが曲者で、まー気がついたら凄い時間掛けてたってなるよね。終わりの無いコバ磨き地獄w
こんなんもあるで
さてと、帆布がでて、スリッカーが出た。そしたら、次は・・・。
ヘチマかよwって思うよね。あのヘチマである。種から育てるところからやってみたくもあるが、いまだやっていない。
なんだか、昔はよく軒先に干してあったのを見かけた気がするが、最近は見ないねぇ。んでも普通にホームセンターのお風呂コーナーで販売してたりする。あたくしは、コレで体を擦ろうなんてまず思わないけど(硬い)普通に売ってるってことは、使っている人が居るって事でしょ?どうなの?使ったことある人いる?
ま、体を洗う、洗わないは別にして、今回は、コバ磨きに使うので手ごろな大きさに切りましょう
これね、ザラザラしてるし硬いし、磨くのに向かないと普通は思う。僕もそう思った。CMCなどで使うと、見たまんま、感じたまんまで、結果がよろしくない。しかし、トコノールで使うといいんだよね。ちょっと使うといい感じに丸いコバを作りたいときなどはフィットする形状になる。
反則技かw
はい、ヘチマが出たら
コレだ。今まで出てきた磨く道具は、いずれもシャカシャカ自分で動かしていたよね。
一番初めに出てきた回転するヤスリを使う人ならば、その先端をコレに替えれば、そりゃ、楽に磨けるね。溝があるもの砲弾型も有るけれどプレーンな形の奴を回転させながら丸いヤスリなどで削りこんでいつも自分の作る物にフィットする溝を作ったりしてもいいね。
磨き剤をつけ過ぎると当然飛び散るからその辺は加減しながらね。
圧倒的に速いね。反則だって思える。
摩擦でかなり熱も入るのでコバが濃い色になる。磨き剤の塗る量と乾き具合、この回転数などでここら辺は調整できる。なるべく色を変えたくないとか、がっちり濃い色にしたいとか。
フットスイッチが付いている奴が具合がいいよ。これ、安価だけどわりかし低速トルクもあるし回転数の幅も広いし軸の振れも少ない気がする。耐久性についてはまだ2年くらいしか使ってないけれどとりあえず問題ない感じ。
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せっかくなので本磨きも
ココまで書いたので、もうチョイ行って見ようかね。
本磨きというのは、フノリ+蜜蝋で仕上げる方法で昔から行われていた技法であり、これをもっと楽に出来ないか?と、今は色々あるわけだ。んでも、僕は、この仕上がりが好きなのでで良くやる技法。
コレが蝋。蜜蝋であったり、マイクロワックス、松脂などの配合が色々で硬さ、割れ難さ、艶が変わる。
オリジナルワックスを調合しても面白いかもしれないが、溶かしたりなんだりで、出てくる蒸気を吸っていると、めっちゃ具合が悪くなるし、それぞれの配合でどういう風に変化するか、色々と実験したこともあったのだが、コレを超えることが出来なかったので素直にコレ使ってます(まったくプレーンな蜜蝋も使うけど)。
そのままだと硬く(冬場は特に)このままだと塗りこめないので軽くアルコールランプなどで炙ってクレヨン位の感じにして・・・
塗るというより乗せる感じだね。
この後登場するのだか、フチ捻という道具があるコレを暖めてこれの側面で溶かし込んでもいいけれど、
こんな小さなアイロンがあると便利だし、数が多いときは早い。せっかち君はアイロンが温まるのに時間が掛かるからアルコールランプ+なんかの工具で。このアイロン篭手の先端にチョイチョイとロウを溶かして乗せて塗りこんでいる職人さんも居るね。
まぁまぁ、TVなんて見ながら適当にやってると銀面にロウが付いちゃってなんとかならないかと色々やるもどうにもならずに、結局作り直すという、危険な作業でもあるよ。んだから、ココは、ちょっと真剣に。
じんわりと溶かしてコバに染み込ませる。これが、フノリという(布海苔)物を使って磨いた後だと乗りがいいというかよく浸透してくれる。
前出のトコノールとかだと樹脂が含有されているみたいに表面が決まってしまうので、いまいちなのだ。なので、面倒だが、コトコトとフノリを煮だして作っている。ま、せっかく天然素材である皮を天然素材である木の渋でなめし、革にしているのだから仕上げ剤も海草や蜜蝋で仕上げたいってのも有ったりするのだが。
最後にフチ捻や玉捻と言われる道具を熱してきゅっと角にラインを入れると、ちょっと良い感じでしょ。最終仕上げでまた、帆布などで余分なロウをふき取りつつ艶出しするといいね。
ココまでは貼り合わせていない場所の磨き。貼り合わせの場合は、縫ってから。
同じ工程で磨くのだが、貼り合わせた時のボンド層など気にならなくなるまで磨く、あるいはボンドの種類や量を調整してくださいませ。
丸みの有るコバ、シャープなコバ、ラフな仕上げ、上品な仕上げ。個性の出るところでもあります。自分の磨き方を見つけてみてくださいませ。
艶やかに仕上がったコバは、完成度がぐっと上がったように見えるのだけれど、あまりにピカピカだと使うだびに当たって傷が付くというかなんというか、ちょっと不安な感じに思ったりする。ある程度自然な感じの仕上がりで使うたびに擦れて馴染んで艶が出てみたいな仕上がりが好きだったりするのだが、そんな拘りで、色々と工程を工夫したりするのもまた楽しいのではないでしょうか。
気持ちいい作業だから、色々とこだわるとオモロイよん。
んでは、また。
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