はいはいこんにちは、お待たせしました。シーグラス・クロニクルの野北ですよ~~~。
つくづく思うんですけど、モノ作りって作る作業ばっかりじゃないんよね・・・。まず素材眺めて、デザイン起こして、構造考えて、色々と失敗を重ねながら試作して、試着して、OKなら写真撮って・・・。販売となると、その他にも色々な作業が付随してきます。そこへんはこのサイトのロミ子編集長が色々と記事にしてくれておりますけども、仕入れから道具購入治具作成、販路確保やお客様との交流に至るまで、単純に作ること以外に発生してくる有象無象、このへんもめんどくさがらずに、できれば楽しんでやれることが理想かと思います。
そんなわけで、第4回、シーグラスビー玉ヘアゴムのレシピ。長かった。とにかく長かった。はじめます。始めてこの記事を読む方は、第1回の記事から読んでね~。
穴掘ってヒートンくっつけた、までが前回までのお話。あとはヘアゴムにつけるだけ!って最初は私も単純に考えてたんですけども、そうはいかんわけですよ。やっぱ重たさっていうのがどーしてもネックになっちゃいました。でも、ビー玉って集めるときれいじゃん?
重たいけどどーしても6個で集合感やすずなり感を出したい!ヘアゴムは使ってるうちにヘタるから、使う人がゴムを替えるだけでずーっと使えるような丈夫で単純な構造にしたい!
細かい試行錯誤はおいといてー、とにかく頭の中にあるイメージを実用化するために、どうしても丸カンにロウ付けしてガツンと強度を上げる必要があったわけです。つうわけで、また長くなっちゃいますけど、シーグラスの作品なのにロー付けの方法も少し解説します。
ロー付けについては、CREERさんが詳しく解説してくれてますので、彫金ド素人(私だ)なりに超さらっといきます。
ロウ付けをしてみよう
まず、ロウ付けとは何ぞやって話ですが、金属同士をくっつける方法のうちのひとつです。
くっつける金属よりも融点の低い合金(ロウ)を溶かして接着剤代わりにすることによって、元々の金属を溶かすことなく接合することができます。ネックレスやブレスレットの丸カンが開いちゃったことはありませんか?ロウ付けをしていれば開くことはありませんので、より強度の高い作品になるんですよ。
今回は5mmぐらいのシルバーの丸カンをロウ付けしていきますが、まず最低限必要な道具を紹介します。
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①トーチとかバーナーとか言われている、ゴーって火を噴くやつ。丸カンのロウ付け程度だったら強力なものは必要ないかと思われます。
② ピックリングコンパウンド呼ばれる、酸化被膜を取るのに必要なもの。取り扱い注意。サンポールで代用もできます。
④ 銀ロウ。普通の銀より融点が低いので、これがうまく溶ければ接着剤代わりになるます。3分・5分・7分、他にも色々ありますが、今回は融点が低い7分。
⑤ ハニカムブロック。これの上で作業します。レンガなどの焼成してあるものでも代用できます。
⑥ ピンセット類。家にあるものでいいですが、このほそーーーい精密ピンセット、あるととても便利です。
⑦ ロウ切りはさみ。ロウ材を必要な分切り出すのに使います。普通のはさみでも問題はありません。
これだけあればロウ付けはできます。今回は純粋に補強目的で行いますし、外側からはほとんど見えませんので、きれいに仕上げることは想定しておりません。きれいにやるにはまた他の道具が必要です。
つうことで、道具が揃ったところでロウ付けに入っていきますよ。まず、銀ロウを切り出します。今回は丸カンのロウ付けですので、1mm×1mmぐらいで十分です。私はもっと小さく切ります。
ちょきちょきぱっちんぱっちん。
ちっちぇ~~!!色んな大きさのものを作っておくとあとで便利ですので、袋や小さな容器に入れてとっておきましょう。
お次は丸カンを開きます。最初からガバっと開いてた場合はそのままでいいです。今回の丸カンは、内径5mmのsilver925のものを使用。
丸カンは、めんどくさくてもヤットコ2本を使って、図のように開閉して下さいね。左右に引っ張ると、あとで金属疲労を起こして折れちゃうことがあります。
次にフラックスつけます。小さな物に塗る場合は、目打ちとか針とかを使うとやりやすいです。
こんな風に、接着面にちょいちょいと塗っていきますよ。
フラックスを塗り終わったら、きっっっっちり丸カンを閉めます。
先程切った銀ロウを精密ピンセットでつまんで・・・。
息を止めて!集中して!フラックスの上に乗っけます!ふ~~。あ、フラックスが乾きかけの状態で乗せると、ピトッてくっついてくれやすいです。
さ、ハニカムブロックの上に丸カンを置いて、トーチを使ってのファイヤータイムですよ。細くした火を当てて、銀ロウを溶かします。
溶けました!くっついたくっついた!この黒いのは酸化被膜です。あとできれいにしますよ。ピンセットでつまんで、水で冷やして下さい。くれぐれも素手で掴まないように!アチチなるよ。
ピックリングコンパウンドを規定通りの分量でぬるま湯に溶かして、さっきの黒くなっちゃった丸カンを入れます。絶対に熱い丸カンを入れないように!必ず先に水で冷やしておいてください。
15分ぐらい放置すると黒いのとれます。
素手を突っ込む人はいないとは思いますが、作業には必ずピンセットを使って、液体に触らないようにして下さいね。
酸化被膜を落としたあとは、磨きます。写真右から2番目のラジアル・ブリッスルディスクを使います。
ラジアル・ブリッスルディスクをルーターに装着し磨いていきます。
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直接手で持つと熱くなっちゃうんで、ヤットコで掴んでやりましょう。ラジアル・ブリッスルディスクの回転で丸カン吹っ飛ばさないように気を付けて!
最後に銀磨き用の布でキュキュキュとやって、やっと、頑丈な丸カンができました!
ってここまで書いて気づいたけど・・・。
口閉じ丸カン買えばよくね!?
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いや~私はロウ付けできる道具は元から持ってたからさ・・・、買うとか思いつかなかったorz
たったこんだけのために道具揃えてロウ付けなんてやってられっかって方はこういうの買って下さい。
しかし!ココはあくまでも全部自分で行うというコンセプトのハンドメイドサイトですので・・・。
断固としてロウ付けをオススメします!!!
組み立ててゴムをつけよう
さ、気を取り直していよいよ組み立てていきますよ。まず、こんな風にヒートンの頭を丸カンにひっかけます。
そして、ヤットコでぎゅーーーっと、開いているところを閉めちゃって下さい。もーね、私、全工程の中でこの作業が一番好き!あー気持ちいい(うっとり)私、このために頑張った!これぎゅーってするために色々頑張った!ってなります。
ビー玉が、大・小・大・小・大・小ってなるようにつけて下さいね。6個全部ガッチリくっつきましたか?
これね、実際にこの作業をするとよくわかると思うんですが、ビー玉が増えるにしたがって、ヤットコが入る領域が狭くなっていきます。先程の丸カンを開閉する時の写真みたいに、本来ならヒートンの開閉にもヤットコ2本が必要です。でも今回の場合は、4つ目ぐらいからヤットコ2本使いが厳しくなってくると思います。最初にヒートンの頭を切ったのは、ヤットコ一本でも作業ができるようにするためです。
次に、ゴムを通します。今回は直径3mmのものを使用。
そして、結び目を隠すための大きめのビーズを通します。今回は穴径2.5mmの天然石(ターコイズ)のビーズを使ってみました。
ゴムを繋ぎます。縫い針に黒い糸を通して、写真のようにゴムに刺します。この時、必ず中に入っているゴムを貫通するように刺して下さい。
糸を強く引っ張りながら、ぐるぐるっと3回ぐらい巻きます。
最後にもう一回ゴムにブスっと刺して、玉留めします。針をゴムに何度も刺すと切れやすくなりますので、刺すのは2回までにしときましょう。
余分なゴムは切ってしまって下さい。この結び目を、さっきのビーズの中に入れて隠してしまって下さいね。
けっこう苦労するかもしれません。目打ちなんかを使いながら、なんとか押し込みましょう。結び目は、ゆるすぎず、きつすぎずの微妙なサイズにして下さいね。本来なら結び目に接着剤をつけて、更に動かないようにすることもできるんですが、そうするとあとでゴムがヘタったときにビーズが使えなくなってしまいますので、私は接着剤なしで作ってます。ターコイズをウッドビーズ(安いしいっぱい入ってるし接着剤がつきやすい)で代用している場合とかだと接着剤つけたほうがいいかもしれませんね。
無事結び目はおさまりましたか?最後の仕上げに、ビー玉にハンドクリームを薄く塗ってできあがりです。何も結んでない状態だとビー玉がカチャカチャ少し動くんですが、ゴムで何かをくくると、写真のようにビー玉どうしがバチっとくっついて殆ど動かなくなります。
でっきあっがり~~~!
いやー、長かった・・・。読むほうもしんどかったことでしょう。長々とお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
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