ハンドメイド作家がInstagramを活用するにあたっての活用方法を考えれば考える程、ネットを使った販売にインスタ向かないな、と、確信しはじめているロミ子です。
最初からインスタのネガティブキャンペーンかよ!とかお思いでしょうが、WEBを使ったハンドメイド商品の販売戦略的な側面から見るとInstagramは全然使えません。いや、Instagramが悪いってワケじゃないんです。『今』の『写真』をメインにユーザー同士で交流していきましょう、というコンセプトの優秀かつ斬新なプラットフォームであることは間違いありませんが、WEBでの販売戦略の観点から考えた場合のデメリットがあまりにも多すぎるのです。
Instagramのデメリット
前述しましたがインスタは写真メインのSNSであって、ツイッターやフェイスブックのように、文字情報や他サイトのとの連携をあまり重視していません。
業者に毒されていないが故に、優れたSNSと謂えるのですが、ライトなWEBユーザー層が圧倒的に多いので、素敵な写真をアップし、タグを適正に設定し、他ユーザーと交流すればフォロアーは順調に増えるでしょう。しかし、潜在顧客はごく少数であると考えた方が無難です。
以下にハンドメイド作品のWEB販売においてInstagramのデメリットを3つ書きます。
アプリなので検索エンジンで発見されない
写真のn次発見がされづらいです。
n次発見とはどういうことかというと、ツイッターやその他のWEB上に存在しているSNSやブログサービスは、google等の検索エンジンを通じて、誰かに何度か(変数:n)発見される可能性があるのですが(2次発見とか3次発見とか)、インスタにおいては閉じられているアプリ空間の為、発見されづらく、いったん投稿した写真は埋もれるがまま、忘れ去られてゆくのみです。
写真が検索エンジンに登録されていれば、数ヶ月後や数年後に誰かに見て貰える可能性もあるのですが、インスタへの投稿ではその可能性はほぼゼロ。作品を作ってアップしても、その場限りになってしまいます。
写真の投稿にリンクが貼れない
これがハンドメイド販売においてInstagramの最も致命的な点です。
たとえばツイッターであれば、上の写真のように、複数の商品写真と共に、ショップへのリンクが貼れます。しかしインスタでは写真にリンクを張ることができないのです。
お客さんがショップから商品を購入するまでの手間が多い
ツイッターとインスタのショップサイトまでのユーザー動線です。
ツイッターは写真とショップサイトのURLを同時に貼れます。つまり直接的にワンクリックでダイレクトに販売ページにアクセスが可能なので、お客さんがラク。
転じてインスタのフォロアーがショップページにたどりつくまでには何ページも経由しなければなりません。素敵な写真のハンドメイド商品がアップされたとしても、お客さんは1度プロフィールページにアクセスし、ショップサイトのURLを探してサイトにアクセスして、さらに目的の商品を探し、商品ページに到着して、やっと購入、という流れです。
以前も書きましたが、ネット販売においてブログやSNSに商品の写真を貼るときは、必ず商品ページへダイレクトにアクセスできるリンク(動線)を貼らなければなりません。【ショップはこちら】等のリンクでショップサイトにだけ誘導して、お客さんに商品を探させるなど言語道断。商売人の精神に反します。
ホームセンターで店員さんに「洗剤どこですか?」とたずねたら、「あっちのほうです」って方向だけ指さされても困るでしょう?WEBページのナビゲーションはリアル店舗の店員さんであると謂えます。親切な接客を心がけましょう。
しかしインスタでは、それらのナビゲーションができません。店員さん不在。カタログだけ渡されて商品は勝手に探せよ状態。下手をすればお店のオーナー自身がお客さんとの直接DMのやり取り、ショップページへのご案内等で、無駄な時間を取られてしまいます。これはネットでの商品販売において大変なデメリットです。
Instagramのメリット
とまぁ、デメリットばかり3点あげてみましたが、もちろんInstagramにもメリットはあります。
しかしながら、インスタは使い方が簡単な分、本格的に集客したければ、かなりトリッキーな使い方をしなければならないので、初心者のハンドメイド作家の集客には向きません。以下は中級から上級者向けの効果的な利用方法です。
すでに高スキルを持つ、ハンドメイド作家のさらなる集客
レザー・クラフターJill Craftさんのインスタグラム・ページです。日々の作業や練習の様子が丁寧にアップロードされています。こういった日々の丁寧な作業をアップロードしてゆくことで、Jill Craftさんのハンドメイド作家としての信頼性が増し、長期的な顧客獲得に繋がっているようです。
また、インスタグラムは『食事』などの写真も数多く投稿されるので、陶芸作家との親和性が非常に高いです。おしゃれな器に美味しそうな料理といったようなライトユーザー向けの投稿が多いので、陶芸作家さんにはオススメのプラットフォームであると謂えます。まぁ・・・陶芸ってハンドメイドのカテゴリは相当ハードルが高いですが・・・。
ブランドイメージの告知ツール
すでに名の知れ渡った大手企業がブランドイメージ向上のために利用するパターンや、名の通ったインディーズブランドが補助的に利用するケースも多いようです。
つまり、メインの広告媒体が他にありながらも、補助的にInstagramを利用することによって、ユーザーに身近なブランドであると思わせるイメージ戦略ツールとしての活用です。
まぁコレもハードル高いですね。
大量生産可能な商品の販売日を告知して販売サイトへユーザーを誘導
これが最も有効な、初心者ハンドメイド作家向けの活用方法です。
数年かけてチマチマと作品をインスタにアップしつつ地道にフォロアー数千人程度にを増やします。『かわいい!』とか『ほしい!』とか多数のフォロアーに言われ始めた時点から計画を開始し、製作が簡単な1000円くらいの商品を100~200点作成して、販売開始日を告知して、その日にその商品を売り出します。
その後2、3日は商品発送に追われます。数年かけてもその日だけは10~20万円の商品を売り上げることでしょう。
うん、まぁ割にあいませんね・・・。
ハンドメイド作家のInstagram利用の結論
インスタは利用が簡単な分、初心者ハンドメイド作家のネット販売には向きません。
たしかにInstagramはおしゃれで洗練された印象を与えることができるでしょう。『知ってもらう』という観点においては優秀なSNSであるといえます。しかし、常に写真がアップされ、よっぽどの情報でない限り、どんどんどんどんどん埋もれていくだけです。簡単に同じ趣味をもった『フォロアー』という仲間は増えることでしょう。けれどもそれは、顧客ではなく、『なんとなく繋がった人』に過ぎないということを忘れてはいけません。
投稿にリンクが貼れないのは、Instagramのポリシーです。商用利用されたくない、純然たるSNSという運営者側の思惑によって運営されている、とみなすべきです。
ハンドメイド作家は、実力が伴わない限り、安易にInstagramで集客!などと考えてはいけません。確かに自分が他人をフォローして『いいね』を付け合っていけば、フォロアーは順調に増えるでしょう。しかしながら、前述しましたように、ショップまでの動線の遠さや、購入アクションというネット販売において最も重要なトリガーをお客さんが引きづらいという弱点を持つInstagramでは、フォロアーがいくら集まっても、購入に結びつく可能性はかなり低いと考えるべきです。
おなじフォロアー100人なら、ツイッター、フェイスブック等の『商用利用に特化しつつある』SNSの方が有用なので、そちらに力を割いた方が効率的であると言えます。
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